北海道・弟子屈で軽トラをSABYVAGE。東の果てに「CON-BY」が誕生しました

北海道弟子屈でSABYVAGE施工した軽トラック「CON-BY」
北海道・弟子屈で誕生したSABY FAMILY「CON-BY」

東京・練馬にある塗装会社が、北海道・弟子屈で軽トラックをSABYVAGE。

「なんでわざわざ北海道まで行って、軽トラをこんな姿に?」

そう思われるかもしれません。

でも今回のCON-BY塗装計画は、突然始まった企画ではありません。

一人のゴルフクラブ職人との出会いから始まり、住宅の屋根塗装、特殊塗装、巨大倉庫の壁画、バイクへのSABYVAGEと、10年以上にわたって続いてきた関係の延長線上で生まれた一台です。

今回は、北海道・弟子屈で誕生したSABY FAMILY「CON-BY」と、そこへ至るまでの実際の話をご紹介します。

始まりは「1番アイアン」だった

CON-BYの所有者である、北海道・弟子屈で「BoseIronFactory」を営むファルコンまつばら氏。

ホンダ塗装との関係は、実は塗装から始まったわけではありません。

きっかけはゴルフでした。

当時、1番アイアンを探していた「まもプ」と、1番アイアンを製造していたファルコン氏。

最初の印象は、

「なんてマニアックな人がいるんだ(笑)」

そこから交流が始まりました。

当時ファルコン氏は横須賀に住んでおり、その自宅やマンションの一室のリフォーム・塗装をホンダ塗装が施工することになります。

そこで実際の施工を担当したのが、現在SABYVAGEを手掛ける現在の取締役シゲウッドソンでした。

「普通のペンキ屋とは、ちょっと違う」

住宅の施工でも、ただ壁をきれいに塗るだけではありませんでした。

シゲウッドソンは特殊な技法や塗装を提案し、一般的な塗装工事とは少し違った仕上げを実際に施工していきます。

それを見ていたファルコン氏も、

「いろいろやるな」

という目でシゲウッドソンを見るようになります。

後から振り返れば、現在のSABYVAGEにつながる関係は、この頃からすでに始まっていたのかもしれません。

横須賀から北海道・弟子屈へ

その後ファルコン氏は、横須賀から北海道・弟子屈へ移住します。

理由はゴルフ。

全英オープンが開催されるスコットランドに近い環境を求め、その環境の中で戦えるゴルフクラブを作りたい。

そんな思いから選んだ土地が弟子屈だったそうです。

そこで建てられたのが、北海道ではよく見られる大きなD型倉庫です。

倉庫を建てた頃から、

「ここに絵を描いたら凄いよね」

という話は出ていました。

まだ何を描くかも、どのように仕上げるかも決まっていない。

でも、この巨大な壁面をただの壁のまま終わらせない。

そんな発想はすでにありました。

北海道弟子屈に建てられたファルコン氏のD型倉庫
北海道・弟子屈に建てられたファルコン氏のD型倉庫。ここから北海道での壁画施工が始まりました。

2018年、巨大なD型倉庫がキャンバスになった

2018年。

ファルコン氏のD型倉庫への壁画施工が実現します。

前面に描いたのは、スコットランドのゴルフ場をイメージした朝靄の風景。

北海道弟子屈のD型倉庫に描いたスコットランドのゴルフ場をイメージした壁画
2018年施工。スコットランドのゴルフ場をイメージした朝靄の風景。

そして裏面には、倉庫を守る「守り神」として風神・雷神を描きました。

北海道弟子屈のD型倉庫裏面に描いた風神雷神の壁画
D型倉庫の裏面には、倉庫を守る「守り神」として風神・雷神を描きました。

面白いのは裏面です。

そこは牧草地と丘に面しており、普段その壁画を見るのは牧草を管理する隣の酪農家さんくらい。

人に見せるためだけに描くのではなく、その場所だからこそ存在する作品を作る。

これも私たちが考えるSABYVAGEの一つです。

壁画を見た隣の酪農家さんから、次の依頼が

翌2019年。

ファルコン氏のD型倉庫の壁画を見た隣の酪農家さんから、

「自分のところにも描いてほしい」

と依頼をいただきました。

その倉庫は、ファルコン氏のD型倉庫よりさらに巨大。

そこに描いたのは、ゴルフの聖地・セントアンドリュースの最終ホールをイメージした風景です。

北海道弟子屈の酪農家のD型倉庫に描いたセントアンドリュースの壁画
2019年施工。隣の酪農家さんからご依頼いただき、巨大D型倉庫にセントアンドリュースの風景を描きました。

さらに外からは見えない倉庫内部にも、子どもたちが楽しめる遊び心のある絵を施工しました。

営業して取ってきた仕事ではありません。

一つの作品を実際に見た人から、次の仕事へ。

弟子屈でのつながりは、少しずつ広がっていきました。

北海道弟子屈の酪農家に制作施工したオリジナル看板
そして2026年、同じ酪農家さんから看板制作もご依頼いただきました。


看板の施工記事はこちら→

4年間待ち続けた、DA-BY

そして2021年。

ファルコン氏が新しいバイクを購入します。

その時点ですでに、

「このバイクはSABYVAGEしてほしい」

という話をいただいていました。

ところが、時代はコロナ禍。

東京と北海道を行き来して施工することも簡単ではなくなり、計画はいったん保留状態になります。

それでも話がなくなったわけではありません。

そして2025年。

約4年越しに、その計画がようやく実現しました。

漆黒をベースに、傷や朽ちたサビをまとった一台。

それが「DA-BY」です。

2025年、約4年越しの計画で誕生した「DA-BY」。
北海道弟子屈で活動するSABYVAGEバイク「DA-BY」

完成したDA-BYは弟子屈でツーリングや街乗りに使われています。

町を走れば二度見、三度見。

北海道を訪れるツーリングライダーからも驚かれ、手を振られることもあるそうです。

そして、そこに一台の軽トラがあった

2025年に弟子屈を訪れた際、ファルコン氏が新たに軽トラックを購入していることを知りました。

北海道で暮らし、仕事をするうえで、荷物を運ぶことのできる軽トラックは実用的な存在です。

特に冬。

雪と厳しい寒さの中では、バイクのDA-BYが活躍できる期間にはどうしても限りがあります。

その軽トラを見て、自然とこんな話になりました。

「この場所にある限りは、これもやらないとね」

最初からSABYVAGEするためだけに購入された車ではありません。

北海道で暮らし、働くために必要だから購入した軽トラック。

でも、ファルコン氏のところにある以上、そのままでは終わりませんでした。

DA-BYの仲間を作ろう

デザインについてファルコン氏からの注文は、基本的に「お任せ」。

そこで考えたのが、

「すでに弟子屈にいるDA-BYの相棒、仲間のような存在にしよう」

ということでした。

デザインのベースはDA-BY。

漆黒を基調として、そこからサビが現れてくる表現を取り入れます。

ただし、DA-BYのコピーを作るわけではありません。

同じ世界観を持ちながら、それぞれに違う役割を持つ。

その考え方で軽トラックのSABYVAGEが始まりました。

東京へ持ち帰らない。弟子屈で作る

DA-BYもCON-BYも、実際に活動する場所は北海道・弟子屈です。

だから、その形を崩さない。

CON-BYも最初から現地施工を考えていました。

ホンダ塗装の北海道滞在は、一つの仕事だけをするためのものではありません。

今回もゴルフ合宿、以前からつながりのある酪農家さんの看板施工、そしてCON-BYなど、複数の予定が同じ滞在の中にありました。

東京から北海道へ行っても、滞在できるのは数日。

すべてを一度に終わらせられるわけではありません。

毎回何かしらの課題や作業を残して東京へ戻り、また次へ。

そんな積み重ねも、弟子屈との関係の一部になっています。

CON-BYも東京へ持ち帰らず、実際に活動する北海道・弟子屈で施工しました。
北海道弟子屈のBoseIronFactoryで行うSABYVAGE現地施工

約5時間。CON-BYをSABYVAGE

施工場所は、弟子屈にあるBoseIronFactoryの敷地内。

メインの施工はシゲウッドソン。

まもプも一部を手伝いながら作業を進めました。

施工時間は約5時間。

一日で仕上げます。

施工開始。まずはDA-BYとのつながりを感じさせる漆黒の姿へ。
SABYVAGE施工で漆黒のベースとなった軽トラックCON-BY

しかも、作業中ファルコン氏はほとんど施工を見ていません。

最初に見た時は、真っ黒な軽トラック。

次に見た時には、そこへ大胆にサビが入っていました。

漆黒のボディに大胆なサビ表現を加えていきます。
軽トラックCON-BYにサビのエイジング塗装を施工した途中工程

その姿を見たファルコン氏から出た言葉は、

「え?こんなになっちゃう?」

少し引き気味です(笑)。

でも、その後に続いたのが、

「そんなことないよねぇ。二人がこれで終わりにするとは思えないもの」

長い付き合いの中で、完成までの途中経過だけでは判断しない。

そんな信頼があったからこその言葉だったと思います。

サビの上に「金」を入れる

もちろん、サビを入れて終わりではありません。

さらに金の表現を加え、少しだけ重厚感をプラスしていきます。

サビの上に金を加え、派手すぎない重厚感をプラス。
CON-BYのサビ塗装に金のエイジング表現を加えた施工工程

派手すぎない。

やりすぎない。

それでも、普通ではないことは一目で分かる。

DA-BYとのつながりを感じさせながら、軽トラックとしてまったく別の存在に仕上がりました。

そして、ほぼ完成した姿を見たファルコン氏。

「やっぱりすごいな~。これは面白い!」

今度は全員で盛り上がりました。

私たち自身も、かなり満足できる仕上がりになりました。

「CON-BY」誕生

約5時間の施工を経て、北海道・弟子屈で「CON-BY」が誕生しました。
北海道弟子屈で完成したSABYVAGE軽トラック「CON-BY」

こうして完成した軽トラックには、「CON-BY(コンビィ)」という名前を付けました。

命名したのは、まもプ。

今のところ勝手にそう呼んでいますので、将来名前が変わる可能性もあります(笑)。

SABY FAMILYの中では、DA-BYと同じ所有者「ファルコン」と共に弟子屈で活動する仲間です。

名前|CON-BY(コンビィ)
No.|010
属|ゴルフ属
ベース|ダイハツ・ハイゼット
覚醒日|2026年7月1日
共鳴者|ファルコン

DA-BYが北海道の大地を楽しむ存在なら、CON-BYは人や物を運び、そこでの暮らしや仕事を支える存在。

同じ場所にいても、その役割は違います。

街へ出たCON-BY

CON-BYを施工したのは、今回の北海道滞在最終日。

そのため、私たちは実際にCON-BYが街を走る姿を見ることなく東京へ戻りました。

その後ファルコン氏から、納品や宅配、買い物などで実際に使っているという話が届きました。

そして予想通り。

町では、みんなが二度見、三度見。

北海道を訪れているツーリングライダーからは、手を振られることもあるそうです。

DA-BYとは違う方法で、CON-BYも弟子屈の日常の中を走り始めました。

私たちにとってSABYVAGEとは

SABYVAGEとは何なのか。

特殊塗装と言えば、特殊塗装です。

作品と言えば、作品。

仕事でもあります。

でも私たちは、まず、

「大人の上質な遊び」

だと思っています。

本気で遊ぶ。

塗装職人が持っている技術と経験を使って、普通ならやらないことを本気で形にする。

その結果として、古いものが再生されたり、今まで以上に愛着を持ってもらえる作品が生まれたりする。

そこから人と人がつながり、再生や愛着がまた次へとつながっていく。

そして、それが私たちの仕事や新しい仕事につながるなら、こんなにいいことはありません。

一般的な建築塗装をきちんとやる。

それは塗装職人として当然のことです。

そのうえで、

「塗装職人って、どこまでできるんだろう?」

その上限を、これからも更新し続けたいと思っています。

塗装という仕事へのリスペクトが少しでも高まり、いつか誰かが、

「塗装職人って、なんかカッコいいな」

と思ってくれたら。

SABYVAGEが、そのきっかけの一つになれば最高です。

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