
■ サビベージとは
「サビベージ(SABYVAGE)」は、サービー(SABY)とサルベージ(SALVAGE)を掛け合わせた造語です。
古びた素材や経年変化を“隠す”のではなく、そこに宿る時間の美しさを救い出す。
そんな思いから、ホンダ塗装が独自に研究した塗装技術です。
「SABY」はホンダ塗装の代名詞であるサビ塗装技法を意味し、
「SALVAGE」は沈没船を引き上げる“救出・再生”を意味します。
この2つの言葉を組み合わせた「SABYVAGE」は、
“サビで救う” “劣化を価値に変える”という、新しい発想を象徴しています。
■ サビの質感と触感をデザインする
サビベージの最大の特徴は、塗装と触り心地の融合です。
見た目だけでなく、手で触れたときに感じる“質感”までデザインします。
まるで時間そのものを塗り込めたような、深みのあるエイジング表現が可能です。
そのモノのストーリーを想像し描き表現することで「ただ塗る」ということとは違う表現を実現しています。
経年劣化や風化の味わいを、ペンキ屋が普段使う一般的な塗料と道具で再現。
特別な機械や有害な薬品を使わず、現場で手軽に施工できることも特徴です。
主に水性塗料を使用しており、
においも少なく、扱いやすく、環境にも優しい。
職人にも、お客様にも、負担の少ない“現場発のアート塗装”です。
■ サビベージの施工例
現在、サビベージは多方面に広がりを見せています。
- 🚗 車・バイク・自転車の外装に:ヴィンテージ感・個性の演出
- 📦 箱・ケース・金属パーツ:使い古したような存在感を再現
- 👜 バッグ・小物・爪・アクセサリー:一点物のアート的仕上げ
- 🏠 建材・インテリア:鉄骨・木材・壁面への意匠塗装
どんな素材にも、サビベージなら“物語を加える”ことができます。
新しいものを古く見せるだけでなく、古いものを再び輝かせるための塗装。
それが、ホンダ塗装の考える「再生デザイン」です。
■ サビベージがもたらす新しい価値
サビベージは、単なる「塗装技術」ではありません。
それは、“時間をデザインする”という考え方です。
サビや劣化を「汚れ」ではなく「歴史」と捉え、
素材が歩んできた時間を表面に刻み直す。
再利用(リユース)・再生(リバイバル)・再価値化(リバリュー)を目的としています。
「経年=劣化」ではなく、「経年=美化」へ。
サビベージは、使い込まれたものに再び命を吹き込む技術です。

■ 今後の展開
ホンダ塗装では、サビベージの手法を応用し、
建築・インテリア・アート・デザイン分野への展開を進めています。
取り組みとして、
鉄骨フレーム・什器・家具・看板などへの施工も開始。
「サビのある空間」「劣化のデザイン」をテーマに、
“経年を楽しむ文化”を広める活動を続けていきます。
■ サビベージという思想
朽ちていくものの中にこそ、美がある。
その美しさを塗装で表現するのが「サビベージ」です。
守る塗装ではなく、蘇らせる塗装。
隠すためではなく、魅せるための劣化。
時間の流れを閉じ込めるのではなく、再び動かす塗装技術。
サビベージは、“時代を塗る”という新しい挑戦です。
📍 SABYVAGE(サビベージ)
- 開発:ホンダ塗装(PAINT HONDA)
- 技術分類:水性エイジング塗装/触感再現仕上げ
- 用途:車両、金属、樹脂、木材、小物など塗装できるモノ場所
- 特徴:サビ塗装×再生デザイン/環境対応型
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